工事現場を動物園に仕立てた「SHINWA ZOOプロジェクト」


工事現場を動物園に仕立てた「SHINWA ZOOプロジェクト」というイベントを行れました。(7/18 木材新聞)

「SHINWA ZOOプロジェクト」は、近隣住民に向けて、動物ペイント建設重機、猿山養生幕、動物シルエット囲い、動物バリケードで楽しい建設現場を作り、動物ユンボ試乗、ペンキ塗り、しっくい塗り、電気配線、家づくりクイズなどが行われるイベントです。

イベントを行った進和建設工業の社長さんは、子供の目に「かっこいい仕事」と映る現場づくりを手始めに、建設業界におけるイメージ戦略の必要性を語り、建設業界の3Kイメージの打破、若年層人材の確保と育成、職人不足問題の解消、建設業界全体の活性化を目指しています。

国勢調査によると、1995年に663万人いた建設業就業者は、2010年には447万人へと大幅に減少しています。また、大工の高齢化も進み、若年層の入職減のなかでは高年齢層が引退することで人材不足がより深刻化すると言われ、2015年には約30万人、2020年には約20万人になると予想されています。

人材不足に対して、公的機関の育成、工務店などでの自社育成を訴える方が多いようですが、現場生産の合理化、生産性向上の必要性を訴え、効率化するためのシステム、施工方法、部材開発を進めるべきとの考えもあるようです。

しかし、2014年に住宅業界団体などで構成される全国木造住宅生産体制推進協議会がまとめた「大工技能者育成に向けた提言」によると

「大工に求められる役割は、部材の墨付・手刻みといった技能・技術から部材の組立・取付けへと変化し、スピードとパワーが重視されて いる。そのため、若年大工は旧来の技能・技術を修得する前に仕事量を得やすい建て方大工(フレーマ ー・組立工等)として一人親方となり、手刻み等の技能・技術を持たない中堅大工の増加を招いている。
その結果、体力のある若いうちしか稼げない状況が生まれ、技能・技術の適正な評価による賃金体系の崩壊につながると共に、年齢を重ねる毎に仕事量の減少が透けて見え、将来が見いだせない状況が早期の離職につながっている。」

という見方もされているようです。
これは効率化を否定しているわけでなく、大工育成すべきポイントにつながっていきます。

大工育成に向けて3つをポイントをあげています。

●大工の技能レベルを客観的に評価できる指標(能力による給与体系)
●大工という職業の将来性を示す(「指導者」や「独立開業」などの道しるべ)
●入職教育・継続教育の重要性(現代版徒弟制度の構築)

をあげています。
魅力溢れる職業になることを願います。

少子高齢化によって、建設業だけでなく、どの業界でも人材不足になると考えられています。
子供の頃に憧れた仕事に就けている人は、わずかかもしれませんが、憧れの職業のひとつになることは、進和建設工業の社長さんがいうイメージ戦略が大切かもしれません。

「13歳のハローワーク公式サイト」の人気職業ランキング(2015年6月1日~6月30日)では、大工さんは21位。前回の42位からかなりジャンプアップしております。

将来なりたい職業を聞かれて「公務員」と答える子は、やっぱり親が吹き込んでいるのでしょうか?

進和建設工業

進和建設工業 facebook(イベントの写真が掲載されています。)

大工技能者育成に向けた提言(全国木造住宅生産体制推進協議会)

人気職業ランキング(13歳のハローワーク公式サイト)